両眼開放屈折検査とは?淀屋が両目を開けた測定を大切にする理由
「視力測定では見えたのに、普段の生活では何となくしっくりこない」。そんなとき、度数の数字だけでは分からないことがあります。どの距離を見たいのか、どんな姿勢で使うのか、両目で無理なく見られているか。メガネを作るときには、そうしたことも一緒に確かめたいと考えています。
大阪の眼鏡店・淀屋で、私が大切にしているのは「いかに楽にモノを見ていただくか」です。「両眼開放屈折検査」と呼ばれる方法を、当店ではメガネづくりのための「両眼開放屈折測定」として行っています。眼科での病気の診断を目的とした検査とは異なります。この記事では、両目を開けて度数を調べる理由と、メガネづくりへの生かし方をお話しします。
1 普段の目の使い方に近い状態で測りたい
視力測定と聞くと、片目を隠して、輪の切れ目や文字を答える場面を思い浮かべる方も多いでしょう。一方、普段の暮らしでは、多くの方が両目を開けて景色や文字を見ています。
メガネも、基本的には両目を開けて使うものです。それなら、度数を調べるときも、できるだけ日常の目の使い方に近い状態を保ちたい。これが、私が両眼開放での測定を大切にする出発点です。
もちろん、片目を隠す測定にも目的と役割があります。「片目を隠したら間違い」という意味ではありません。目の状態や確認したいことに応じて方法を使い分けながら、普段の見え方につながる情報を集めていきます。

淀屋の視力測定室。普段の見え方を伺いながら測定を進めます。
2 両目を開けたまま片目ずつ度数を調べる
両眼開放屈折測定とは、両目を開けた状態を保ちながら、近視・遠視・乱視などの度数を調べる方法です。「両目を開けるなら、右目と左目を別々に測れないのでは?」と思われるかもしれません。
ここで大切なのが、両目を開けることと、左右を区別せずに測ることは違う、という点です。左右それぞれの見え方を確認できるよう、レンズや視標の条件を整え、両目を開けた状態で片目ずつ測定していきます。
目には、見る距離に合わせてピントを調節する働きがあります。片目を隠した状態と両目を開けた状態では、その働き方が変わることもあります。淀屋では、日常に近い条件で度数を確認することを、使いやすいメガネを考える手掛かりにしています。
ただ両目を開けていただけば、それで測定できるわけではありません。お客様の答えを伺いながら、左右それぞれの度数を丁寧に確認する必要があります。言葉にすると簡単ですが、実際には知識と経験が求められるところです。
測定中、「どちらも同じに見える」「違いが分かりにくい」と感じたら、遠慮なくそうお答えください。正解を当てる試験ではありません。そのときの見え方をそのまま伝えていただくことが、度数を考えるための大切な情報になります。

淀屋での測定風景。見え方のお返事を伺いながら確認します。
3 度数と両目の働きはそれぞれ確認します
両眼開放屈折測定と、両眼視機能の測定。名前は似ていますが、同じ意味ではありません。前者は両目を開けた条件で度数を調べるもの。後者は、左右の目を一緒に使うときの働きを確認するものです。
たとえば、近くを見るときに両目の視線を寄せる働きや、左右の視線の関係などを調べます。両眼開放で度数を測っただけで、両目の働きのすべてが分かるわけではありません。
淀屋では、「文字が読めるか」に加えて「両目で楽に見られているか」も大切にしています。近くの作業を続けるのがつらい、手元から遠くへ視線を移すと見づらい、といったお困りごとを伺い、度数と両目の働きを合わせて考えます。
その際は、「疲れる」という一言だけでなく、何を見ているときか、どのくらい使うと気になるかも教えてください。パソコンと書類を行き来する仕事なのか、細かな手作業が多いのかによっても、確認したいことは変わります。
ただし、店頭の測定は目の病気を診断するものではありません。見えづらさや疲れの原因をすべて度数や両眼視に結びつけず、眼科での確認が必要と思われる場合には受診をご案内します。

ニコンのテストレンズ。測定に加え、用途に応じた見え方を確かめます。
4 測定した数字を暮らしに合うメガネへ
測定で得た数字は、メガネづくりの大切な出発点です。ただ、その数字をレンズに入れれば、誰にとっても使いやすいメガネになるとは限りません。今のメガネとの違いや、仕事・家事で見たい距離も含めて考える必要があります。
たとえば、パソコンを長時間使う方と、運転や外出が多い方では、よく見る距離が違います。遠近両用でさまざまな距離が見えても、机の上で使いたい範囲が十分かどうかは別に確認したいところです。必要に応じて、中近両用や近々レンズも選択肢になります。
淀屋では、測定結果と生活場面をもとに候補を考え、テストレンズで見え方を確かめていただきます。文字が読めるかだけでなく、無理な姿勢になっていないか、見たい距離で使いやすそうかも一緒に確認します。
ニコンのメガネレンズをご希望の場合も、まずはその方の目と使い方を知るところから始めます。両眼開放屈折測定は、ニコンだけに使う特別な測定ではありません。レンズの特徴を生かすためにも、度数と用途を丁寧に確かめることを大切にしています。
レンズが決まった後は、フレームに合わせて加工し、掛けた位置やずれを調整します。測定、レンズ選び、仕上げ、掛け具合。その一つひとつをつなげて、毎日の使いやすさを考えていきます。

店内での手ずりの風景。測定後の加工と仕上げも大切にしています。
私が目指しているのは、測定のときだけよく見えるメガネではなく、家や仕事場で無理なく使えるメガネです。「いかに楽にモノを見ていただくか」。そのために、普段の目の使い方に近い状態で測り、実際の使い方と照らし合わせることを、これからも大切にしていきます。
「今のメガネの度数が合っているのか気になる」「見えるけれど、長く掛けるとしんどい」。そんな方は、いつ、何を見るときに困るのかをお聞かせください。一級眼鏡作製技能士の店主が、お話を伺いながら確認します。普段使っているメガネと、眼科の処方箋がある方はそちらもご持参ください。

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